高校卒業後、しばらく飲食店のアルバイトをしていた川渕さんが、「定職に就こう」と決心した時に、偶然目に留まったのが今の会社の求人票だった。
家から近いこともあり働くことを決めたが、ガス工事はもちろん「職人」としての知識は「ゼロ」からのスタートだったという。
今日のゲンバは、戸建て住宅のフレキ配管作業。フレキ配管は床下や壁内、天井といった見えなくなる部分に使用することが多い。最終的には見えなくなる部分がほとんどだが、見えないからと言って決して手を抜かない。どんなに忙しくても、見えない所こそ丁寧に作業することが、ポイントだと教えてくれた。
見えなくなる部分は、狭く作業スペースが十分にないことが多い。今日の現場も、体をかがめ、手も伸ばせないような床下での配管作業だったが、体を器用に使い、手際よく作業している姿が印象的だった。
できないことを考えるのではなく、自分に合った方法を考えることが作業のこだわり。「狭いところは任せろ!!」
元々体が小さかったため、ガタイのいい職人さんには力では負けてしまう。でも反対に狭い場所の作業は誰にも負けない自信がある。
今では、狭い現場は川渕に頼もうかと言ってもらえるようになった。その瞬間がすごくうれしいと教えてくれた。「短所を長所に」川渕さんの常に前向きな気持ちが、仲間の信頼をつかんでいるようだ。
そんな川渕さんが尊敬しているのは今の親方。
一人で現場を持ち始めた頃は思うように作業できないことが多かった。
その体験を通してどんなに大変な現場でも、動じず手際よく仕事をこなす親方の凄さがよくわかった。
初めは「背中をみて覚えろ」という、親方のスタイルについていけない時があったが、今は親方のような確かな技術と豊富な経験のある職人になりたいと思っているそうだ。
将来はどんな現場でも「川渕に任せる」と言ってもらえるようになりたいという川渕さん。
現在は戸建て住宅しか担当していないが、今後は集合住宅も経験して、親方のようにどんな現場にも、対応できるようになりたいという。
そのために今任せられた現場を、一つ一つ丁寧に仕上げることを心掛けている。
プライベートではいろんな人の趣味に付き合うのが趣味。友達の趣味を一緒に体験するのが楽しいと教えてくれた。今後の目標は「マイホーム」ゲット!いや、その前にお嫁さんゲット!!と目を輝かせていた。