この業界に入ったきっかけは、今の会社の社員さん(Nさん)に誘われたという渡邉さん。もともと水道工事をしていたという。周りには怖い方が多く、時間も夜遅くまで働くこともあり転職を考えていた時、Nさんと同じに現場になり、仲よくさせていただき、「やめようと思っている」と相談したところ、「ガス工事をやってみないか」と誘われたらしい。実際、ガス工事業界に入ってみてどうだったかと尋ねると、「ガス工事業界の方はみなさん優しい。それに勤務時間もそんなに不規則ではないので働きやすいし、楽しい」と話してくれた。
この日の現場は、集合住宅の新築現場。引込管遮断バルブ(緊急時に建物1棟すべてのガスを遮断できるバルブ)蓋の高さ合わせ、各部屋のメーター取付および室内の機器リモコンの取付である。「今日の作業で注意していることは」と聞いてみた。すると、「漏らさない。手順を間違わない。最後の最後まで基本作業を徹底する。」と答えてくれた。ガス工事をするうえでは、やはり基本は「漏らさない」ということなのだろう。
好きな作業は、太いサイズの配管作業だそうだ。それも地中配管ではなく、建物の外壁や中を通す配管作業。「どう配管すればいいかと悩むことも多いが、その分やりがいがあり、完成したときの達成感もより一層感じられる」と話してくれた。また、「自分が手掛けた物件が増えてくことで、思い出が増えていくようで他の仕事よりも、終わった後の充実感は感じられ、それがこの仕事の面白さ」だという。
あこがれの先輩は二人。一人はこの仕事に誘ってくれたNさん。「Nさんに仕事を一から教えてもらった。」もう一人はこの日一緒に作業していたMさん。「不得手がない人で、何をきいても答えてくれる人で、この人を目指している。」そうだ。
一生続けたいと思える仕事に就けたので、そのために施工不良を起こさず、基本に忠実に仕事を行っていきたいと思っている。と話してくれた。
取材をしていて、作業服下からバッテリーのようなものが見えた。この日、雪がちらつく中での作業であったためか寒さ対策として作業服の下に暖房ベストを着用していたらしい。
「この仕事は、腰を痛めることもしばしば。そのために冷やさないようバッテリー搭載の暖房ベストを着ている。」とのこと。お気に入りらしい。ちなみに夏は空調服を着用。「ゲンバの人間には暖房服と空調服は欠かせないですよ。これが無いと僕は仕事できません」と笑いながら話してくれた。
プライベートというと、今の一番の楽しみは、飼っている猫が布団に入ってきて、一緒に寝ること。暖かくて、癒され、幸せなひとときなのだという。休みの日には、釣りに行くことが多いとのこと。「先日は、イカとアマダイが釣れた。」お酒と刺身が好きなので釣った魚は肴として刺身にして食べるそうだ。
最後に独身、彼女募集中とのこと。